「勉強家」で異彩の経歴国際協力銀総裁に近藤氏

 国際協力銀行(JBIC)は23日の株主総会で、渡辺博史総裁(66)の後任に社外取締役の近藤章氏(71)が就く人事を決めた。近藤氏は住友銀行(現・三井住友銀行)を振り出しにソニーの財務担当役員や保険会社の社長を務めるなど多彩な経歴を持つ。インフラ輸出の拡大に向けて実務家としての手腕が問われる。 「これから勉強したい」。同日の記者会見で近藤氏が繰り返したこの言葉が、様々な業種を渡り歩いた経歴を物語る。 住友銀ではニューヨーク勤務が長かった。話題を集めた米ゴールドマン・サックスへの出資で主導的な役割を演じ、融資だけでなく証券業務の国際展開に踏み出した。 「55歳になったら新しいことをやりたい」と異業種のソニーへの転身を決断。リーマン・ショック後に富士火災海上保険社長に転じた。全国の支店や顧客との対話を通じて不慣れな保険業で経営立て直しに奔走した。 同じ1967年に東大法学部を卒業した黒田東彦日銀総裁と親交が深い。民間銀行と財務省に進路は分かれたが卒業後も経済談議を重ねた。 経歴は多彩とはいえ、国際的な知名度の低さは否めない。中国との競争が激しさを増すインフラ輸出で実績を積み上げることができるかが早速試される。

シャープ社長に戴氏鴻海・郭氏側近で最終調整

 シャープは11日、同社を買収する台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の戴正呉副総裁を次期社長に迎える方向で最終調整に入った。10月初めを期限とする出資金が払い込まれた後に就任する見通しだ。シャープの高橋興三社長は退任する。日本語が堪能な戴副総裁は鴻海で郭台銘董事長に次ぐナンバー2の要職にある。シャープは創業から100年余りで初めて社外からトップを招き経営再建に取り組む。 シャープは鴻海から3888億円の出資を受ける契約を4月2日に結び、経営陣の刷新を協議してきた。6月下旬の株主総会で第三者割当増資が認められれば、議決権のあるシャープ株の66%を鴻海グループが握る。鴻海は再建に向けて強い指導力が必要と判断し、郭董事長の側近である戴副総裁を送り込む。 戴副総裁は1985年に鴻海に入社した。ソニーの製品の受託製造などのプロジェクトで手腕を発揮して郭氏から評価され、2005年に副総裁に昇格している。 シャープは16年3月期に2年連続で巨額赤字に陥る見通しだ。17年3月期も液晶パネルや太陽電池など主力事業の苦戦が続く可能性が大きい。経営を立て直すには国内の人員削減や不採算事業の撤退のほか、新規の収益事業の育成などを迅速に進める必要がある。

ソニーFHD社長に石井副社長旧山一出身

 ソニーグループで金融事業を手掛けるソニーフィナンシャルホールディングス(FHD)は28日、石井茂副社長(61)が社長に昇格する人事を固めた。6月下旬の株主総会後に就任する。井原勝美社長(65)は代表権のない会長に就く。同社は生損保と銀行を傘下に持ち、金融業務に幅広く精通する石井氏が後任として最適だと判断した。 28日午後に発表する。石井氏は旧山一証券の出身で、ソニーFHD傘下のインターネット専業銀行、ソニー銀行の実質的な創業者でもある。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックなど、新分野への参入も含めたかじ取りを担う。 石井 茂氏(いしい・しげる)78年(昭53年)東大経卒、山一証券入社。98年ソニー入社、01年ソニー銀行社長。15年ソニーフィナンシャルホールディングス副社長。東京都出身。

ソネット社長に十時氏

 ◇ソネット 十時 裕樹氏(ととき・ひろき)87年(昭62年)早大商卒、ソニー入社。02年ソニー銀行代表取締役。13年ソネット副社長、ソニー業務執行役員SVP。14年ソニーモバイルコミュニケーションズ社長。15年ソネット会長。山口県出身。51歳(4月1日就任。石井隆一社長は取締役に)

VAIO社長に元双日の大田氏関取氏は副会長に

 ソニーのパソコン事業部門が独立したVAIO(バイオ、長野県安曇野市)は8日、双日の常務執行役員を務めた経験を持つ大田義実氏(62)が8日付で社長に就任したと発表した。2014年7月の発足時から社長を務めた関取高行氏(54)は代表権のない取締役副会長に就く。 VAIOは発足後に開発を始めたパソコンを5月に相次ぎ発表するなど、独立した企業としての事業体制を整えてきた。国内外で事業を本格化させるに当たり、サンテレホンやミヤコ化学(東京・千代田)の社長を務めた大田氏を招いた。 大田 義実氏(おおた・よしみ)76年(昭51年)一橋大商卒、ニチメン(現双日)入社。04年常務執行役員。10年サンテレホン社長。東京都出身。

日本NCR社長に内藤氏伊ユーロテック副社長

 日本NCRは組み込み装置などを手掛けるイタリアのユーロテックの内藤真副社長(59)を社長に招く人事を固めた。3月に退任した諸星俊男前社長(61)の後、日本法人社長を兼務していた米NCRのミハエル・バイエル上級副社長(51)は代表権のある取締役に就く。 諸星氏はPOS(販売時点情報管理)レジなどを用いたインターネットと店舗の連動サービスを推進し、14年には2桁成長を達成。内藤氏は日本IBMなど外資系企業の日本法人の経験が長い。 内藤 真氏(ないとう・まこと)78年(昭53年)慶大工卒、ソニー入社。14年ユーロテック副社長。東京都出身。

ジャパンディスプレイCEOに本間氏COOは有賀氏

 中小型液晶パネル世界大手のジャパンディスプレイは23日、元三洋電機副社長の本間充氏(67)が会長兼最高経営責任者(CEO)、取締役の有賀修二氏(56)が社長兼最高執行責任者(COO)に就く人事を固めた。6月下旬の株主総会後に就任し、大塚周一社長(63)は退任する。 空席だった会長職に就く本間氏は三洋電機で電池事業を担当していた。新たに開拓を進めている車載用途などの販路で営業力を高める。有賀氏は日立製作所、ソニー、東芝の事業統合でジャパンディスプレイが発足した12年4月から売上高の8割を占めるスマートフォン(スマホ)向け事業を担当してきた。 退任する大塚氏はジャパンディスプレイ設立と同時に社長に就任。国内工場の再編やスマホ向け高精細パネルの開発を主導し、当初計画を1年前倒しで14年3月に株式上場を果たした。 本間 充氏(ほんま・みつる)70年(昭45年)甲南大法卒、三洋電機入社。06年取締役、08年副社長執行役員。13年退任。兵庫県出身。 有賀 修二氏(あるが・しゅうじ)83年(昭58年)東京農工大院修了、諏訪精工舎(現セイコーエプソン)入社。ソニーモバイルディスプレイ社長などを経て、12年ジャパンディスプレイ執行役員、13年取締役。長野県出身。